2014年3月14日金曜日

西山佑司さんの最終講義


明海大学副学長、同大学外国語学部教授の西山佑司さんの最終講義が昨日(2014年3月13日)に開催されました。

悪天候の中、参集してくださったおよそ100名の聴衆を前に、「単純な文ほどむずかしい ―意味の科学からコトバ教育を考える―」という演題で、主としてコピュラ文を題材に1時間30分にわたってお考えを披瀝してくださいました。以下が、西山さんご自身による「講義概要」です。



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自然言語の文のなかで、もっとも単純な構文はA is Bのようなコピュラ文です。単純な構文だけに英語教科書の最初に、 This is a pen. My sister is a painter. Mary is the winner. などはかならず登場いたします。ところが一見、単純に思われるこの構文は、なかなか複雑でしかも豊かな構造を有しています。興味深いことに、この構文のポイントは、日本語の「ABだ」と「ABだ」の違いを正しく理解することによってかなり明確になると思われます。つまり、英語のコピュラ文の有する重要な点を生徒に理解させる有効な方法は、日本語の「は」と「が」の区別に生徒の注意を向けさせることなのです。この講義では、母語(日本語)のメタ言語意識を高めることが外国語の構文の深い理解にいかに重要であるかをお話しいたします。
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最終講義の後は、会場を新浦安のオリエンタルホテルに移し、懇親会が開かれました。およそ80名の参加者があり、西山ご夫妻との会話を楽しみました。

西山さんはまだまだお元気で、なにより、研究意欲が旺盛ですので、これからもいろいろな知的活動を展開されるものと思います。わたくしとのかかわりで言えば、今年度から始まった新学術領域研究「こころの時間学」でご一緒させていただいています。始まったばかりのプロジェクトですので、今後どんな知的興奮を共有できるのか、大いに楽しみです。

西山さん、まずはお疲れさまでした。今後とも健康に留意され、わたくしたちに知的刺激を与え続けてください。





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