きのうは大学院生向けのオリエンテーションと懇親会がありました。
オリエンテーションの冒頭でこんなことを言いました。《明海に来て1年経ったが、なににがっかりしたと言って、院生のふがいなさほどがっかりさせられたものはない》。その意味は、院生同士の議論がほとんどない、積極的に指導教授に議論をふっかけるという雰囲気に欠ける、学会などに積極的に参加し、議論に参加しようとする院生が少なすぎるということです。
大学院での生活はなんと言っても研究三昧であるべきです。何を置いても研究が優先する。そんんな浮世離れした生活を送って欲しい。そうそう、このブログはかなり広範に読まれていますので、念のためにつけ加えておけば、「浮世離れした」と言っても、社会の問題に背を向けて、無関心でいろと言っているわけではありません。研究三昧という状態が社会一般ではあまりない、もう少し言えば、しようと思ってもできないことだということです。
誤解を恐れずに言えば、修士論文や博士論文の執筆を目標にしてはいけません。修士論文や博士論文は大学院時代の研究三昧の生活の報告書と考えるべきです。ちなみに、そう考えれば、ネット上の情報や他人の論文をコピーして貼りつけるなどということをしようとは思わないはずです。
まずは、仲間との議論、先生がたとの議論を大いに実践してください。姉妹ブログの「大津研ブログ」に載せた、以下の記事も参考になると思います。
http://oyukio.blogspot.jp/2014/03/janet-randallfacebook-httpwww.html
明海大学の応用言語学研究科は大いなる可能性を秘めた研究科だと思っています。ただ、これまでは、日本で唯一の応用言語学研究科であるとか、著名教授が揃っているとかということだけを売り物にしてきたきらいがあります。他に「応用言語学研究科」を名乗るところがないのは我が研究科に先達としての魅力が欠けていたということなのかもしれません。また、大学院にとって重要なのは現時点で生産的な研究を行っている教員が揃っているかどうかで、教員が「著名」であるかどうかは本質的なことではありません。
我が応用言語学研究科が優れているのは、基礎科学としての基礎言語学をきちんと身につけ、そのうえで、その応用を考えるべきだという明確な方針を持っていることです。そのことを明確に意識した教員が研究科の活動を支えています。もちろん、基礎言語学で論文を書くことも可能です。
今年度はそうした方針に沿って、若手教員の大学院担当の枠を大きく増やしました。また、新たに他大学で優れた実績を持つ教員を明海大学の専任として招きました。結果として、今年度のカリキュラムは従来よりも充実したと考えています。
院生のみなさんはどうぞこの研究科の院生であることを誇りに思い、大いに議論してください。
0 件のコメント:
コメントを投稿