2013年9月13日金曜日

明海大学浦安キ­­­­­ャンパス学友会サマーキャンプに参加して

2013911日(水曜日)、12日(木曜日)に千葉県鴨川市の鴨川ホテル三日月で2013年度明海大学浦安キャンパス学友会サマーキャンプが開催されました。このキャンプは、学生部長ほか関係教職員が学生代表と協力して、企画・運営するものです。

このキャンプはつぎの2点を目的とするものとされています。
①   学生及び教職員がお互いの連帯感と本学への帰属意識を深めるとともに本学の発展[に寄与すること]を目的とする。
②   本学の発展に[寄与するため]学生、教職員が一丸となって意見を交換し[、その成果の]実現へと向けるための研修[(削除)]を行うことを目的とする。また、学生の声を直に大学に訴えかけることにより、学生生活に対する意識や関心の向上、課外活動の活性化などにつなげる[こともその目的とする]。([]内は大津による補足・修正)

学長を含む教職員・教育後援会(保護者会)・同窓会関係者69名、留学生32名を含む学生153名が2日間に寝食を共にしながら、明海大学に関わるいくつかのテーマについて語り合うという企画です。

1日目は、開会式などの後、午後145分から5時までが分科会、630分から830分までが懇親会です。2日目は、朝食の後、午前10時から1130分までが分科会の報告会、そのあと、12時までが閉会式という日程です。大部分の参加者は大学が用意したバスで大学・安房鴨川間を往復しました。帰路には、アウトレットなどに立ち寄るなどの観光オプションが3つ用意され、希望のオプションを選ぶようになっています。

キャンプの中心に位置づけられているのが分科会で、今回はつぎの4つのテーマが用意されました。
1 明海大学をより魅力的な大学にするには
2 ボランティア活動について
3 部活動・サークル活動を活性化させるには
4 マナー向上について

テーマ別に16の班が用意され、それぞれの班に13人前後の学生、教職員、教育後援会・同窓会関係者が割り振られました。学生の1人がディスカッション・リーダー、別の1人が書記となり、議論を先導しました。

わたくしはこの4月に明海大学に赴任した新任教員ですから、もちろん、このキャンプは初参加で、自ら願い出て参加させてもらいました。分科会では、「明海大学をより魅力的な大学にするには」をテーマにした班の1つに加わりました。

3時間強の討論時間ですが、主体はあくまで学生たちで、教職員はあまり口を挟まないようにという学生部長からの要請があったので、少なくとも、前半は主として、聞き役に回りました。

この2日間に、わたくしもたくさんのことについて考え、また、学びましたが、以下では、つぎの2点について書いておきたいと思います。
A 学生参加者に期待したいこと
B 教員として「明海大学をより魅力的な大学にする」ためにしたいと考えていること
(Aが長くなったので、Bについては後日、改めて投稿いたします。)

A 学生参加者に期待したいこと
このキャンプの主体はあくまで学生です。だから、このキャンプは学友会会長の挨拶で始まり、(実質上)学友会会長の挨拶で閉じられます。したがって、このキャンプの成否は学生1人1人がどれだけこのキャンプに主体的に関わり、どれだけのことを学び取ったかによって決まると言っても差し支えないでしょう。

その観点から見たとき、学友会会長の上澤敬之君のリーダーシップは特筆に値すると言えます。開会式、閉会式でのスピーチも見事なものでしたし、なによりも印象的だったのは、報告会での質疑応答の際、学友会の立場から必要と思われるコメントを的確に加えていた点です。あらかじめ準備できるスピーチと違い、質疑応答のようにどんな意見が飛び出るかわからない状況で、的確なコメントを加えることは簡単にできるものではありません。ごく最近の例を挙げれば、オリンピック招致のプレゼンで、準備されたスピーチは上手にできたのに、質疑となると的外れの応答をしていた人がいましたね。とくに、今回のように、フロアからの質問やコメントの多くが教員から寄せられた場合、学生の立場としてはついつい萎縮してしまうものです。しかし、上澤君はきちんと、しかも、相手に対して礼を失することなく対応していました。

では、分科会での議論はどうだったのか。参加した分科会の様子、2日目の報告会での報告、他の教員からの情報などから、話し合いが必ずしもうまく機能していなかったという印象を受けました。

これはリーダーが不慣れであったということもあるでしょうが、それ以上に参加者の準備不足によるところが大きいと思います。たとえば、「明海大学をより魅力的な大学にするには」というテーマについては、開会式で学生部長から《授業のありかた》という点に絞って議論をしてほしいという要望がありました。それを受けて、リーダーはどんな論点がありえるかを考え、(全体で約3時間という限られた時間ですから)どの論点を、どのように取り上げていったらよいかを考えておく必要があります。

上のテーマで言えば、《学生の視点から授業のありかたについて論じようとするとき、どのような論点があるか》を考える必要があります。1つは授業の進め方に関する論点で、授業は時間どおり始まり、時間どおり終わるか、講義は聞きとれる声で、理解しやすい話し方でなされているか、などはそれに属します。ほかにも、出欠はとったほうがよいかとか、板書は効果的になされているかなどが考えられます。わたくしの参加した分科会ではほとんどがこの種の論点についての議論でした。しかし、学生の視点から授業のありかたについて論じようというのであれば、講義内容、演習内容は学生の期待に応えるものであるのかという、もう1つ別の論点があり、むしろ、そちらのほうがより本質的な論点と言えます。

もちろん、話し合いの中で、後者の論点について触れられることがなかったわけではありませんが、そこでは、《就職という視点》から、これこれについての講義は将来の就職活動に役立つといった発言がほとんどを占め、現実的ではありますが、それだけでよいのだろうかという疑問を禁じえませんでした。

講義内容、演習内容ということになれば、当然、話はカリキュラムのことに向っていくはずです。わたくしの参加した分科会でも、その方向に議論が向き始めた瞬間もありましたが、話が科目の履修学年制約や履修学部制約のほうに行ってしまい、本質に近づくことができませんでした。

また、リーダー以外の参加者も、議論を深めるためにはどのようなことに注意して発言すべきかということも考えておく必要があります。そのためには議論の流れがどうなっているかをきちんと見きわめ、その上で、どういう形でその議論に貢献するかを考えて発言する必要があります。

そんなめんどうなことを言いだすと、だれもなにも言わなくなるという意見を聞いたことがあります。わたくしはそうは思いません。参加者が勝手にものを言い、リーダーは発言者を指名するというだけであるなら、どんなに発言が多くても、議論は深まらず、終わった後、《ああ、話し合いというのはおもしろいものだ!》ということを実感できないからです。

いま述べたことに賛同が得られるのであれば、話し合いの仕方、議論の深め方などを事前研修に組み込んでおくことが必要だと思います。もっと言ってしまえば、その種のことは短期間で身につくものではなく、経験を重ねる(場数を踏む)必要がありますので、今回の参加者は、今回得たことを活かして、今後、意識的に努力をするとよいと思います。

一見回り道のように聞こえるかもしれませんが、そういう努力を重ねることは就職活動でも効果を発揮するはずです。付け焼刃ではなく、一生ものの力を身につけましょう。

報告会での報告について一言、触れておきます。ほとんどの報告が各分科会で出てきた意見を単に羅列しただけという印象を受けました。たくさんの意見が出てきたときに、それを論点別に整理して、さらに、その論点間にどのような関係があるのかを見きわめた上で報告を作成する必要があります。

最後に1つ付け加えたいことがあります。それは院生の参加です。今回のキャンプでは、明海大学(浦安)コミュニティーのいろいろなメンバーが参加していましたが、そのなかで、欠落していたのは大学院生です。学友会主催ということが関係しているのではないかと想像しますが、なんらかの形で院生を巻き込むことは検討に値することと思います。


1 件のコメント:

  1. はじめまして。突然の投稿失礼いたします。明海大学が誕生した時、お向かい(海風の街)に住んでいた者です。建学当初から地域貢献を謳われていたので、とても期待してきました。今もメイカイクラブのメンバーです。
    学友会の皆さんにご相談したいことがありますが、どうしたら良いかお知恵を拝借でいれば嬉しいです。
    内容は参院選に向けての公開討論会についてです。18歳選挙権が認められて最初の選挙です。若者の投票率を上げるために一緒に考えられないかなと考えています。(明海大学では期日前投票ができるそうですね)
    どうぞよろしくお願いいたします。

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