2013年4月6日土曜日

堤秀世さんとタカ

夕食の準備をしながら、台所の小型テレビをつけたら、なつかしい顔が映し出されました。伊豆シャボテン公園名誉園長の堤秀世さんです。「なつかしい」といっても面識があるわけではありません。記録が正しければ、1996年、NHKが「天才ザル カンジくん」という番組を作った時、チンパンジーの飼育員として登場し、「みなさんから「チンパンジーはよくことばがわかるんですねえ」とよく言われるのですが、わたしはチンパンジーはことばがわかっているのではないと思うんです。チンパンジーはわたしの身振りとか、表情とかの微妙な変化を観察して、それに反応しているように思えるんです」というコメント(なにせ、ずいぶん以前のことなので、表現にはずれがあるかもしれないが、内容は間違っていないと思う)をされました。《チンパンジーと文字どおり苦楽を共にしている人だからこそ、こんな鋭い観察ができるのだなあ》と強く印象づけられました。

きょうの番組(TBSテレビ「バース・デイ 育児放棄された子供チンパンジー」)では、そのタイトルどおり、育児放棄されてしまったチンパンジーのタカを、堤さんがチンパンジーとの直接のかかわりにおける最後の仕事として、仲間の群れに戻すという努力をされる姿が紹介されていました。
http://iwanphoto.blog15.fc2.com/blog-entry-782.html
http://www.tbs.co.jp/birth-day/onair/oa120811.html

30分足らずの番組なので、堤さんの努力はその一端しか紹介されていないと思いますが、それでも、堤さんがタカに対して注いだ愛情の深さ、仲間のチンパンジーたちから堤さんが得ている信頼の大きさなどがよくわかります。

わたくしの相手はチンパンジーではなく、人間ですが、話は同じことだと思います。相手に対する愛情と信頼を得るための努力、きょうの番組を見て、そんなことを感じました。

いつか堤さんにぜひお会いしたいと思います。

【付記】 わたくしが堤さんのことを印象深く覚えているのにはもう1つ理由があります。「カンジくん」を観たあと、知り合いになった、(本人はいやがる呼称ですが)カリスマ英語教師 田尻悟郎さんとお顔がそっくりだったからです。そういえば、TBSのサイトでは、堤さんが「カリスマ飼育員」として紹介されていました。

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