2015年4月13日月曜日

研究指導に対する大津研究室の基本的な考え方

ゼミ生のみなさん、大津担当の学部向け科目をとっているみなさん、院生のみなさん

今年度最初の一週間が終わりました。

ほかの講義や演習とはだいぶ風情が違うので、戸惑った人も多いかと思います。これは慣れの問題ですから、しばらくこちらのペースに合わせてやってみてください。いずれ楽しさがわかってきます。

この一週間に複数の院生から受けた質問があります。それは「個別指導はないのですか?」。答えは、《個別指導が必要とわたくしが判断したときはしますが、原則として、研究指導はわたくしの指導を受けている院生全員で集まって議論しながら行います》というものです。この点はゼミ生を含め、学部生の皆さんにはあまり違和感はないのではと思うのですが、どうでしょうか。

上の質問のもとには、《研究は指導教員と自分の二人で進めていくもの》という考えがあるように思います。もちろん、指導教員は院生の研究に対して必要と思われる助言を与えるのが任務ですから、そうしますが、そのことは、研究を当該院生と指導教員の中だけに押しとどめておかなくてはならないということを意味するのではありません。

自分の考えを仲間(院生、ゼミ生、など)に聞いてもらい、いろいろな意見をもらい、議論する。そうやって知的に成長していくことが重要です。わたくしは日本でも、アメリカでも、そういう形での指導を受けてきました。教員になってからも、ずっとそういうやり方で指導をしてきました。

「ほかの人たちに自分の研究の話を聞いてもらうのは申し訳ない」と言った院生もいましたが、それは違います。あなたの話を聞くことによってほかの人たちも刺激を受ける。考える素材をもらう。新たな視点に気づく。いろいろなご利益を得るのです。ということは、逆に、ほかの人の話を聞いたときに、あなたもいろいろと発言しなくてはなりません。

お互いに刺激し合う。わたくしは「貢献」ということばを使います。そのことばを使えば、《お互いに貢献しあうということになります。

学部生のみなさん、授業中に《こんなことを言ったらほかの人の迷惑になるのではないか》という気遣いは不要です。実際にそうであれば、わたくしがそう言います。大切なことは積極的に発言することです。

院生のみなさん、明海大学の大学院で、「特別演習」や「特別研究」と呼ばれている、指導教員による研究指導は、いま書いた理由で、基本的に全員が集まって行います。したがって、時間も長時間になります。

互いに切磋琢磨しあいながら、知的な楽しみを共有しましょう。

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