2014年11月26日水曜日

大津の部屋---おひまなら来てよね 兼 ボジョレーヌーボーの会

だいぶ間が開いてしまいましたが、12月2日(火曜日)午後6時から、明海大学内ニューマリンズで、大津の部屋---お暇なら来てよね兼ボジョレーヌーボーの会を開きます。

ゼミ生、学部生、院生、大津研究室関係者、教職員のみなさん、大津と話がしてみたいかた、大歓迎です。来年度ゼミ生となる皆さんもぜひ参加してください。

みんなで楽しく語り合いましょう。

多くの皆さんの参加をお待ちしています。


2014年11月25日火曜日

来年度ゼミ生のみなさん


来年度の大津由紀雄ゼミ生のみなさん

先週以下の内容を含むメールをみなさんに宛てて送りました。

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ついてはゼミの登録票(というのかな)をなるべく早く提出してください。締め切りは11月25日(火曜日)とし、それまでに提出がない場合は辞退とみなします。

同時に、添付の「受講票」に必要事項を記入の上、提出してください。

登録票と受講票を同じ封筒に入れ、研究室のある建物の1階にあるメールボックスに入れてください。なお、念のため、コピーを取っておいてください。
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現時点(11月25日午前11時20分)で未提出の人が何人かいます。締め切りは厳守ですので、間違いのないようにしてください。

また、書類を入れた封筒は(言われなくても)表面に宛名(そして、できれば、「xx在中」と内容物についての情報)を書き、裏面にはあなたの所属、学生番号、名前を書きましょう。

このことは社会人として当然心得ておくべきことですので、今後注意しましょう。掲載したのは見本です。参考にしましょう。なお、このようにきちんとした形で書類を提出した人もほぼ半数いました。


2014年11月23日日曜日

大杉正明さんの講演

明海大学外国語学部英米語学科では、清泉女子大学教授であり、そして、NHKテレビやラジオの英語番組講師としても著名な大杉正明さんをお迎えして公開講演会を開催することになりました。

演題:グローバル化と英語でのコミュニケーション---英会話のストラテジー
副題:「イギリスのご出身ですか?」は"Are you from England?"でいいか?

日時:2014年12月12日(金曜日)午後4時30分から5時50分まで

会場:明海大学2102講義室

事前申し込み不要、参加費無料

公開ですので、明海大学学生、院生、教職員はもとより、どなたでも参加できます。

大杉さんとわたくしが知り合いだと言うと、「意外だ」という反応が返ってきます。じつは、2人は「犬友」なのです。家が比較的近いこともあり、たまたま犬に散歩をさせていたら、そこでばったり大杉さんにお会いしたのがきっかけです。以来、親しくお付き合いさせていただいています。今回もお忙しい大杉さんにご無理をお願いしてお引き受けいただきました。

せっかくの機会ですので、みなさんに大杉さんの英語にも触れていただきたく、講演は日本語と英語をとりまぜてということでお願いしました。

多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

2014年11月14日金曜日

来年度ゼミ生募集

一次募集締め切り前に面接希望を出したにもかかわらず、まだ面接の時間の連絡を受けていない人がいましたら、11月20日正午までにメールで連絡してください。その後の受け付けはしません。
(11月19日午後1時25分)

一次募集は締め切りました。(11月14日午後6時15分)
面接希望者は受け入れ可能数を上回っていますので、辞退する人はできるだけ早く、その旨を伝えてください。

二次募集はしないことになりました。

大津研究室では現在来年度のゼミ生を募集しています。くわしいことは昨日(11月13日)のゼミ説明会でお話したとおりです。念のため、大津ゼミの概要と応募方法をこの記事の末尾に貼り付けておきます。

【ゼミテーマ】
日本語について知る、英語について知る、ことばについて知る、そして、人間について知る

【ゼミ概要】
1 大津ゼミは「選考基準」に書いたとおり、好奇心(不思議だなあ、なぜそうなるんだろうか、知りたいなあと思う心)をなによりも大事にするゼミです。そして、知りたいと思ったら、考えなくてはなりません。《きちんと考えられるようになりたいなあ》という気持ちが大切です。これまでいろいろな事情で、そうは思っていても、どうしていいのかわからなかった人を歓迎します。1年後に、《ああ、いままでにない1年だった!》と思えるような体験をしましょう
2 研究テーマについては、11人のゼミ生が自分の希望するテーマを自由に選ぶのが基本です。例をいくつか挙げると、「子どもはどうやって母語を身につけるのか」「日本語と英語はどう違うのか」「小学校英語はほんとうに必要なのか」「新語はどうやって生まれるのか」「方言はどんな働きをするのか」などなど。どうしても、なにをテーマにしたらいいのかわからないということであれば、一緒に考えましょう。
3 テーマの設定からゼミ論文の作成までを大津研究室全員(大津、ゼミ生、院生、訪問研究員、秘書など)で支援します。
4 毎週のゼミの時間以外にも、ゼミ呑み会、「大津の部屋」(下記ブログ参照)、ゼミ旅行(1314年度は信濃追分にて開催、15年度は勝浦開催も考慮したい)、ワークショップなど、楽しく、にぎやかに交流しようというのが基本精神です。
5 ゼミを選ぶときにはゼミの指導教員との相性が大切ですから、大津の考え方、行動の仕方なども知っておいた方が安全です。「新浦安日記」「大津研ブログ」という2つのブログを読むといいでしょう。Googleなどの検索エンジンを利用すれば、すぐに見つかります。
6 規定により単位にはなりませんが、1年生、2年生、他学科・他学部生などの参加も面接によって許可することがあります
7 6の場合も含めて、ともかく大津と話してみたいという人がいたら、いつでもアポイントメントをとってください。なんと言っても出会いが大切です。もうわかりましたね、《なにかあったら、すぐメールで、アポ!》です。
8 大津ゼミ生は同じく大津担当予定の「英語学概論」ないしは「英語学特講」を受講することが望ましい。すでに、他の先生担当の「概論」「特論」を履修し、新たに単位が取得できない場合は聴講を許可します。
9 ゼミ志望のメールに大津ゼミを志望する理由を書く。できるだけ明確に、具体的に書いてください。
【テキスト】

ものを考えるための心構えについての基本図書などはゼミの中で紹介します。ゼミ生の研究そのものについての文献は個別に紹介します。ただ、論文や本を読むことも大切ですが、考えることがもっと大切だということを忘れないでください。

【応募方法】
メールでのアポイントメント(友人と一緒のグループでのアポイントメントも可)により時間帯を設定する。oyukio@meikai.ac.jp宛にメールを送る。件名欄に「ゼミ面接希望」と記入する。メール本文に、上の【ゼミ概要】9を書く。面接順に合格者を決め、一定の人数に達したら申し込み受け付けを締め切る。
面接場所:大津研究室(124) 

【選考方法など】
募集人数:15名程度
選考方法:面接
選考基準:好奇心(不思議だなあ、なぜそうなるんだろうか、知りたいなあと思う心)の強さ


2014年9月16日火曜日

ゼミ旅行 2014

9月14日、15日と、ことしもゼミ旅行で信濃追分の森の家へ行ってきました。総勢15名、現役ゼミ生(3年生)、4年生のゼミ生OB、院生、それに、1日目の講義の講師としてお招きした静岡大学准教授の小町将之さん、明海大学で長期研修中の矢持昌也先生、わたくしという顔ぶれです。

わたくしの慶應義塾大学在職中からの続いているゼミ旅行ですので、日程などについてはおおよその型が出来上がっています。しかし、3連休の後半に組んだ、ことしのゼミ旅行は関越道の渋滞に悩まされました。

学生・院生参加者の多くは高速バスを利用したのですが、往きも帰りも渋滞に巻き込まれました。1
小町さんの講義
日目は2時から小町さん講義の予定だったのですが、一番遅かった組の到着が3時半ごろになってしまったため、小町さんの講義時間は大幅に短縮せざるを得なくなってしまいました。

しかし、小町さんはそんなことに動じることもなく、ことばが持つ楽しさや奥深さをわかりやすい例をたくさん挙げて、説明してくれました。学生・院生と歳が近い講師の話はいろいろな意味で新鮮だったはずです。


講義のあとは、夕食兼呑み会第一部です。森の家の夕食はゼミ旅行バージョンの鉄板焼きです。学生の食欲と健康を考えて、たくさんの肉とこれまたたくさんの新鮮な野菜を用意してくれます。また、ことしは酒呑みが多いことから、矢持先生の指揮の下、日本酒1升、イモ焼酎・麦焼酎各1本に加え、ビール、サングリア、梅酒、果実酒などがずらりと並び、大いに食べて、呑んで、語りました。

そのあとは、花火です。初期のゼミ旅行では、飛ぶ花火、音のする花火なども買ってきたものですが、「森」の中とはいえ、近隣に家がまったくないわけではないので、その方たちに迷惑のかからぬよう、おとなし目の花火を楽しみました。

そのあとは、呑み会第二部です。ここからは自由行動ですので、入浴するもよし、部屋で仲間と語るもよし、ホールで呑みながら過ごすのもよし、です。このゼミ旅行が始まった頃は遅くまで学生たちと語り合い、相手を酔いつぶしてしまうことも稀ではありませんでしたが、心は若くとも、体の衰えはいたしかたないので、無理のないよう、少し早目に休みました。

矢持先生は明け方近くまで学生とつきあってくださったようです。午前4時には目覚めて、仕事をしようかと思っていると、酔い潰れて寝てしまった参加者を学生と一緒に抱きかかえてベッドへ運び込む先生の姿がありました。矢持先生は教頭長期研修2年目ですが、すっかり、大津研究室の顔となり、その運営になくてはならない存在です。今回も多忙を極めるわたくしを気遣い、実質的に司令塔の役割を果たしてくださいました。

庭山の発表
二日目は午前7時45分から朝食です。新鮮な牛乳と珈琲で目をさまし、手作りのパン、新鮮なトマト、レタス、キュウリ、それにオムレツ、もちろん、スープも添えられています。

朝食がすむと、部屋の荷物をかたずけて、帰り支度をした後、ホールに集まり、庭山恵太院生、Joe Tabolt院生の発表を聞きました。庭山は英語学習における動機づけについて、Joe(と普段は呼んでいる)はWill you...?、Can you...?、Would you...?、Could you...?の英語話者の使い分けと日本人英語学習者の使い分けについて、話をしました。

Joe Taboltの発表
いずれも、まだまだ粗削りな状態ではあるのですが、2人とも研鑽の跡が見られ、研究科教員としてうれしく感じました。わたくしは大学院担当の副学長も兼務しており、応用言語学研究科の雰囲気をもっともっとアカデミックなものに変え、大学院本来の研究の場にふさわしいものにしたいと思っています。彼らは応用言語学研究科のこれからを背負って立つ、重要な院生です。今後も周りの雰囲気に流されることなく、研究仲間を明海の内外に求め、大きく成長していってほしい。わたくしはできる限りの支援をしたいと思います。

院生2人の発表が終わったところで、ゼミ旅行の公式行事はすべて終わりました。このゼミ旅行をいろいろな面で支えてくれている森の家のご主人(わたくしの立教大学経済学部学生時代の友人)に全員でお礼を言って、旧中山道ぞいにある「きこり」という蕎麦屋さんへ出かけました。連休中なので、ほぼ開店と同時に15席を確保、信州のおいしいそばを堪能しました。もちろん、そばのおともには日本酒が必要です。そして、その酒のおともにそば味噌焼き、牛すじ煮込み、揚げ出し豆腐、漬け物などが同席します。

おみやげに1合瓶を2本ほど買い求めて、ほろ酔い気分で、、旧中山道の追分宿跡を通り抜けると、追分神社があります。ことしはこの神社に寄ることにしました。その境内に芭蕉が詠んだ句の日があります。

ふき飛ばす 石も浅間の 野分かな

『更科紀行』の最後に載っているという、この句、古文の先生、矢持先生が解説してくださいました。

ネット情報などでずるをしてミニ解説をすると、貞享五年(1688)、美濃を出発、姥捨で月見後、善光寺を参拝した芭蕉が軽井沢を経由して江戸に戻る時、追分で 詠んだと言われている句だそうです。「野分」は秋の季語です。芭蕉はここで強い風に吹かれたのでしょう。そこで、一行はほろ酔い気分の指導教授の号令にしたがい、その時の芭蕉の気持ちになってポーズをとりました。

かくして、楽しくも、充実した2日間のゼミ旅行は無事終了しました。

さて、まもなく、秋学期、気分も新たにがんばろう!












    2014年9月3日水曜日

    2014年度明海大学浦安キャンパス学友会サマーキャンプに参加して

    201492日(火曜日)、3日(水曜日)に千葉県鴨川市の鴨川ホテル三日月で2014年度明海大学浦安キャンパス学友会サマーキャンプが開催されました。このキャンプは、学生部長ほか関係教職員が学生代表と協力して、企画・運営するものです。わたくしも昨年度に引き続き、今回もこのキャンプに参加しました。昨年度の報告については以下のページをご覧ください。キャンプの目的などについての記載もありますので、関心がおありの向きはご参照ください。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2013/9/blog-post.html

    キャンプの日程は昨年度とほとんど変わりありません。1日目は、開会式などの後、午後145分から5時までが分科会、630分から800分までが懇親会です。2日目は、朝食の後、午前9時30分から11時00分までが全体会で、分科会の報告があります。そのあと、11時30分までが閉会式という日程です。大部分の参加者は大学が用意したバスで大学・安房鴨川間を往復しました。帰路には、アウトレットなどに立ち寄るなどの観光オプションが3つ用意され、希望のオプションを選ぶようになっています。

    そうそう、今回は大学が未成年学生の飲酒追放を謳っているため、キャンプ全体が禁酒となりました。その意味で、きわめて健全なキャンプとなりました。

    キャンプの中心に位置づけられているのが分科会で、今回はつぎの4つのテーマが用意されました。
    1 授業・大学設備・学生と教職員の関わり方について
    2 明海大学の魅力、他大学との違いについて
    3 ボランティア活動について
    4 日本人学生と留学生の交流について

    テーマ別に16の班が用意され、それぞれの班に13人前後の学生、教職員、教育後援会・同窓会関係者が割り振られました。今年度は各班を3つの小グループに分け、それぞれのグループで討論するという形をとりました。さらに、今年度の新機軸として、ワークシートの配布がありました。これにより、各自の意見や討論の様子がより正確に記録されることになりました。

    わたくしは「授業・大学設備・学生と教職員の関わり方について」をテーマにした班の1つに加わりました。その班の中でわたくしたちのグループは学生2人(うち、1人は中国からの留学生)、教育後援会(保護者)1名、それにわたくしの4人でした。人数が少ない分、一人一人の意見をたくさん聞くことができました。ただ、グループごとの討論が終わった後、班としての全体討論の時間がなかったのが残念でした。

    2日目の全体会では各テーマ担当の代表が分科会での議論の報告をしました。統一されたデザインのパワーポイントを使い、どれもきわめて滑らかな発表でした。昨年度の報告と比べれば、その違いは明らかです。学友会の委員、参加学生の努力の賜物と高く評価したいと思います。

    ただし、改善すべき点もたくさんあります。多くはプレゼンテーションの仕方というよりも、議論に向かう姿勢とか、議論の仕方など、より本質的な点にかかわるものです。以下、そうしたいくつかの点を取り上げます。

    まず、議論に先立ち、上記の4つのテーマを選定した理由を明らかにしておく必要があります。また、個々のテーマについても、あらかじめ、どんなことをどう議論してほしいのかを述べておくほうが議論の拡散を防げます。これらの点については、開会式できちんと時間を割くべきだと思います。

    各分科会で討論された内容が与えられたテーマから逸脱していたということはないのですが、わたくしにはきわめて表面的な観察の羅列に終わっているように思えました。たとえば、設備の面でどんな問題があるかといったときに、「エレベータの台数が少なすぎる」とか、「学食の食事の質や店員の質が低い(たとえば、制服のまま、喫煙所で喫煙し、そのまま、厨房に戻る)」とかといった点が指摘されました。個々の指摘は貴重なものではありますが、せっかく、まとまった時間を取っての議論の場があるのですから、もう少し考えを進めて、どうしてそのような問題が生じるのか、その問題を解決するためにはどうしたらよいか、などについて考える必要があります。そう考える姿勢を習慣づけると、どんな問題に対してもじぶんのあたまで考えるようになります。

    また、ある問題に関して複数の指摘があった時に、単にそれを羅列するだけでなく、整理し、分類し、それらのもとにある根本的な問題を探るようにする必要があります。そんなむずかしいことは自分たちにはできないとあきらめてはだめです。人間であれば、だれでも考えることはできます。問題は考える習慣を持っているかどうかです。特別の才能がいるというわけではありません。一度、考える楽しみを覚えると、むしろ、考えないでいることがつらくなる、というよりも、できなくなります。やってみましょう。

    分科会ではいろいろなことが話し合われましたが、大学は基本的に学びのコミュニティーであるということを忘れてはならないと思います。教員と学生・院生が一体となって、探求し、学ぶ。それを職員が支援する。この点をないがしろにして、どんなに大学改革を叫んでもそれはむなしいだけです。

    ですから、「明海大学の魅力はなにか」「他の大学とどこが違うか」と問われたときに、いの一番に立地条件がよいという答えが出てくるのはどうかと思います。学びのコミュニティーとしてどんな魅力があるか。「学生・院生と教員の距離が近い」というのもよいのですが、それが会いたいときにいつでも会ってくれるというだけのものであれば、いささか疑問です。

    多くの大学教員は研究者としての顔と教育者としての顔を持っています。わたくしはいつも学生・院生に言うのですが、教育者としての大学教師は学生・院生が育てるという側面があります。学生・院生がなにも求めなければ、成長しない教員も少なくありません。日常的なことであれば、たとえば、声が小さく、かつ、マイクも使ってくれない教員がいたら、「聞こえません」というべきです。それでもその声に応えてくれないのであれば、同じ学科や学部の他の先生に相談するとよい。毎回、30分近く遅れて講義が始まり、30分近く早く講義が終わる教員がいて、学生・院生がおかしいと感じたら、それはそのことを教員に伝えるべきです。

    もう少し本質的なことで言えば、講義内容でわからないところ、疑問に思うところなどがあったら、発言しましょう。まともな教師であれば、それに真摯に応えようとします。そうした問いかけとそれに対する応答が大学にふさわしい緊張関係を生みます。

    わたくし自身はそのような緊張関係があることを明海大学の魅力としたいと思っています。それには教職員、学生・院生が一体となって努力しなくてはなりません。でも、そのような努力の後には自信に満ちた顔の学生・院生諸君がいるはずです。

    もう一点。これは全体会で指摘したことですが、なにか問題が認められたときに、それを外的な力によって解決しようとするのはよいことではありません。せいぜいそれは最後の手段としてとっておくべきです。たとえば、出席率が高くない授業があるので、授業では出席を取るべきだとか、さらには、教員間で出席の取り方を統一すべきだといった発想には組めません。

    日本人学生と留学生の交流があまりないからといって、授業で日本人学生と留学生が隣同士になるように席を決めるべきだというのも同じことです。それは「席を決める」という外的な力によって実現させるべきものではなく、自然にそのような状態が生み出されるべきものです。

    受講マナーが悪い学生がいる。それを注意しない教員がいるのはけしからん。「教員による注意」という外的な力によって問題を解決しようという発想です。もちろん、注意をすべきだと考える教員もいるでしょう。しかし、直接注意をするのではなく、そのマナーは改めるべきであると気づかせるという方法をとる教員もいます。体験的には、外からの力で強制されたことは自分自身で気づいて直したことに比べて定着率が低いように思います。

    などなど、いろいろなことを考えさせられた2日間でした。今回話し合われたテーマは多くの大学に共通する重要な問題です。その意味で、明海大学がこのような形で問題の解決を探る試みを重ねていることはとても大事なことなのです。

    2014年8月18日月曜日

    東京言語研究所集中講義 田窪行則氏「琉球語宮古池間方言を学ぶ」

    東京言語研究所では、今年度第1回集中講義として、田窪行則さんによる「琉球語宮古池間方言を学ぶ」を以下の要領で開講いたします。

    この講義はフィールド・メソッドを学ぶ機会としても有益だと思います。方言学に関心のある方だけでなく、言語研究の基礎知識と基礎技能を身につけたいと考えている方々に広くお勧めいたします。

    <演題> 琉球語宮古池間方言を学ぶ
    <講師> 田窪 行則 氏(京都大学文学部教授)  
    <日時> 2014年9月6日(土)・7日(日) 
    <会場> 東京言語研究所 (新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビル13階)
    <参加費> 一般12,000円 学生 9,000円(当日学生証提示)
             (*2014年度理論言語学講座受講生は9,000円)
    <申込み> HP申込みフォームまたはFAXにてご連絡下さい。  定数:50名

    詳細は、

    概要:
    琉球宮古語池間方言を概説する。琉球列島で話されている言葉は、日本語の姉妹語であり、唯一、同じ祖語を有する姉妹語であることが証明されている。しかし、両者の差は大きく、互いに意思疎通は不可能である。また、琉球諸語は5つの言語に分類される(奄美、沖縄、宮古、石垣、与那国)が、これらの言語間でも意思疎通が不可能なほど違っている。琉球諸語はいわゆる危機言語(消滅の危機に瀕した言語)であり、宮古語もその例外ではない。母語話者は60代であり、すでに次の世代への継承を行っていない。宮古語池間方言は、池間島、伊良部島佐良浜地区、宮古島西原地区で話されている。本講義では主として西原地区で話されている池間方言を学ぶ。池間方言は比較的若い世代でもよく使われており40代の話者でも流暢に話す人がいる。しかしこの方言でも次世代への継承はほぼ途絶えており、30年後には消滅する可能性が高い。そこで、この授業では、同時に消滅の危機に瀕した言語を記録、保存する方法についても学ぶ。 

    西原地区で話されている池間方言に関しては京都大学言語学教室・京都大学コンテンツ作成室で作っ て い る 電 子 博 物 館 が あ る の で 、 受 講 前 に そ ち ら を ご 覧 に な る こ と が す す め ら れ る(www.kikigengo.jp から宮古方言、池間方言とたどるとみられる)。 

    また、書きおこしの練習をする場合があるので、Max Planck Institute for Psycholinguistics, the Language Archive, Nijmegen, The Netherlands で開発された Elan というフリーの書きおこしソフ
    トをダウンロードしインストールしておくのが便利である。
    URL:http://tla.mpi.nl/tools/tla-tools/elan/
    注: 当日はパソコンを持参する必要はありません。もしあれば便利であるという程度です。

    2014年7月31日木曜日

    【再度ゼミ生宛業務連絡 サイボウズからの招待を至急受け入れてください】



    サイボウズからの招待を受け入れていないゼミ生がまだ何人かいます。すでに2回の招待期間は終わったので、現在、再再招待中です。至急、受け入れてください。そうしないと、単位を認定しない可能性があります。

    2014年7月25日金曜日

    【ゼミ生宛業務連絡 サイボウズからの招待を至急受け入れてください】

    サイボウズからの招待を受け入れていないゼミ生が何人かいます。すでに最初の招待期間は終わったので、現在、再招待中です。至急、受け入れてください。そうしないと、重要な連絡が届かない可能性があります。

    2014年7月19日土曜日

    大津の部屋---おひまなら来てよね 集合場所変更

    「大津の部屋---おひまなら来てよね」ですが、予定していた7月22日(火曜日)はニューマリンズが休業であることがわかりました。そこで、とりあえず、午後6時に講義棟1階のノースウイング学生ホール(大講義室2101の向い)に集合ということにします。どこへ行くかはそのときに決めます。参加したいが午後6時にはこられないという人はわたくし宛にメールをください。そのときに、携帯電話などの番号をお知らせいただけると好都合です。メールアドレスはoyukio?sfc.keio.ac.jp(?を@に替える)です。多数の皆さんのご参加をお待ちしています。


    2014年7月7日月曜日

    大津の部屋---おひまなら来てよね

    大津の部屋---おひまなら来てよね、すっかり間があいてしまいました。常連の方々からつぎはいったいいつなのかという問い合わせをいくつかもらいました。ごめんなさい。

    7月22日(火曜日)午後6時から、ニューマリンズで開きたいと思います。そのころまでには梅雨も明けているのではないかと思います。夏休み(まあ、わたくしには無縁なのですが)前のひととき、楽しく語り合いましょう。いつものことですが、どなたでも参加できます。


    2014年6月30日月曜日

    明海大学大学院説明会

    明海大学大学院説明会が以下のとおり、開催されます。
    7月20日(日)
    14:00~15:00
    浦安キャンパス 2503・2504・2505講義室

    http://www.meikai.ac.jp/news/2014/file/2014-0606-1239.pdf

    わたくしが所属しているのは応用言語学研究科です。この4月から大学院担当の副学長になりましたので、研究科長と力を合わせて、研究科の改革に取り組んでいるところです。

    応用言語学研究科受験を考えておられる方々にこの時点でお伝えしたいことがいくつかあります。

    1 応用言語学研究科では基礎言語学(基礎科学としての言語学)を重要視しています。そして、基礎言語学での論文執筆も可能です。基礎言語学教育の充実のために、来年度に向けて教員グループのさらなる充実を計画中です。

    2 今年度、社会言語学(アイルランド英語、言語変化など)を専門とする嶋田珠巳さんを准教授としてお迎えしました。嶋田さんには基礎言語学教育の一端も担ってもらっています。

    3 応用言語学研究科では現職教員の受け入れも可能です。勤務先との調整などが必要な場合もありますので、事前にご相談ください。説明会ではなく、個別に相談なさりたい場合はわたくし宛にメールを送ってください。
    oyukio[@]meikai.ac.jp
    (@の左右の[ ]を除いてください。)

    4 応用言語学研究科では可能な限りさまざまな研究要望に対応いたします。ぜひ説明会にご参加ください。

    この件に関する問い合わせも上記アドレス宛にお送りください。

    多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

    【付記】 もちろん、わたくしも説明会に参加いたします。

    2014年6月24日火曜日

    明海大学庶務課主催セミナー 「競争的資金獲得のコツ」 【訂正】事前申し込み必要あり

    昨年度に引き続き、今年度も明海大学庶務課の主催で、 「競争的資金獲得のコツ」というセミナーを開くことになりました。わたくしが講師を務めます。

    「競争的資金」というのは、内閣府の規定によれば、「第3期科学技術基本計画において定義されているとおり「資源配分主体が広く研究開発課題等を募り、提案された課題の中から、専門家を含む 複数の者による科学的・技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者等に配分する研究開発資金」のことを指す」(http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/)ということになります。ごく簡単に言ってしまえば、たとえば、勤務先の大学からほぼ一律に専任教員に与えられる研究費などと異なり、資金を必要とする研究者が自ら研究計画を立案し、それをもとに資金の配分を申請し、審査に通ると、得られるという資金のことです。審査の過程で、他の研究者との「競争」が起こりますから、「競争的資金」と呼ばれます。

    競争に勝ち、資金を得るためには、きちんとした研究計画を立てることが必要なのはもちろんですが、それだけでなく、さまざまな工夫も重要です。その辺りを一括して「コツ」と呼び、できるだけインフォーマルな形でお話しようという試みです。

    教職員の方々はもちろんですが、大学院生にもぜひ参加してほしいと思います。留学生にとっては日本国内で応募できる競争的資金は多少限定されますが、それぞれの国にも類似の競争的資金があるはずで、今回の話はそういった競争的資金を得ようとするときにも役立つはずです。

    また、代表的な競争的資金である「科学研究費補助金」などは税金で賄われている部分が大きいので、一般の方々にとっても無縁の話ではありません。興味がおありでしたら、歓迎いたしますので、ぜひお越しください。

    1 日時  2014年7月3日(木)17:00~18:30
    2 場所  浦安キャンパス講義棟 2537講義室
    3 講師  外国語学部 大津由紀雄

    事前申し込みなどは不要です。

    訂正:事前申し込みが必要です。ビラの下の部分を庶務課古市さんまで提出してください。

    教員免許状更新講習、定員に達しました

    教員免許状更新講習ですが、わたくしの分はおかげさまでたくさんのかたの申し込みをいただき、定員に達しました。ありがとうございました。

    2014年6月21日土曜日

    教員免許状更新講習

    以前に「大津研ブログ」でご案内した、明海大学での教員免許状更新講習ですが、
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html
    現在、申し込み受付中で、わたくしの分を含めていくつかの講習についてはまもなく定員に達します。
    http://www.meikai.ac.jp/04kyouiku/2012-0622-1623-1.html

    わたくしの講習については、教師が心得ておくべき認知科学の基礎知識が1日で得られるという、正気の沙汰とは思えない企画です。もちろん、厳しい時間的制約があるので、認知科学に対する「自律的学習者」になれるかもしれないという気持ちをいだいてお帰りいただくというのが目標です。関心のある方はお早目に申し込んでください。

    2014年6月20日金曜日

    「はじめまして」講演会2014 開催

    明海大学外国語学部英米語学科主催の「はじめまして」講演会2014が昨晩開催されました。

    プロジューサーであるわたくしの想像をはるかに上回る、たくさんの方々の参加を得て、充実した会になりました。

    最初のトークは山泉実さんの「英和辞典の使い方---限られた時間で何をどう教えるべきか」でした。辞書の引き方も十分には指導されてこなかったかもしれない学部生にとって参考になる点がたくさんあったと思います。周到に準備されたスライドと抑制が利いた話し方で、プレゼンテーションのモデルとしてもすぐれていたと思います。山泉さんのトークに関連した資料はhttp://p.tl/gExiからダウンロードすることができます。

    二番手は金子義隆さんで、演題は「英語教育と動機づけ」でした。明海大学にたどり着くまでの自己変遷の過程をユーモアたっぷりに語ったあと、英語学習において動機づけが非常に重要であると言われているが、じつは、学習者の動機づけだけではなく、教える側である教師の動機づけも学習効果に大きな影響を与えると論じました。教師の動機づけが高いほど、その効果も高いという実証的な裏づけも提示されました。今後の課題は「教師の動機づけ」という概念をさらに精緻なものにしていくことだと思います。

    最後は、嶋田珠巳さんの「コミュニティ!---アイルランド英語と明海大学と社会言語学の楽しみ」でした。冒頭にPCとプロジェクタの情報交換がうまくいかず、開始が遅れるということがあり、さすがの嶋田さんも少しは慌てていたようですが、自己紹介部分から言語接触の話に移るころから嶋田節が全開となり、アイルランド英語の特徴についての話はもっと話が聞きたかったという思いのかたもたくさんおいでになったようです。ご本人が研究を楽しんでいるという姿が伝わったことがとてもよかったと思います。

    三人三様のトークでした。6時から始まった会が、いろいろな事情もあり、終わったのは8時30分でした。

    プロジューサーとして今回とてもうれしかったのはたくさんの学部生、院生が参加してくれたこと、さらに、卒業生、職員、一般のかたが参加してくださったことです。そして、院生からの質問の中には話の内容の核心を突いたものもあり、とても心強く思いました。学部生もトークに最後まで熱心に耳を傾けており、散会後、講師の先生のところへ行って直接質問する姿もありました。

    明海大学の教員として、プロジューサーとして、とても楽しく、幸せな時間でした。普段は晩酌はしないのですが、昨晩は気分に任せて、バーボンのロックを楽しみました。


    2014年6月18日水曜日

    シニアディスカウント 【追記】【再追記】あり

    「ここで問題です」で出した問題について、つぎのような反応が寄せられました。到着順に掲載いたします。

    気の利いた簡潔な言葉は難しいと思います。なぜならば、「結構です。」といった短い言葉は、先生が話されたように、短いだけにいろいろな意味の可能性を持ってしまいます。だから、正しく話者の気持ちを相手に伝えるためには、例えば、
    (1) 「お申し出有り難うございます。でも、結構です。お客様は年齢を偽るような方にはお見受けできませんので。」
    などのように、正確さかつ丁寧さを保持するためには、どうしても言葉を重ねる必要があると思います。(高校国語教員)

    (2) 「それには及びません。お客様の言葉を信頼しております。」
    と付け加えるのがいいのかな。たぶん、後半のような配慮はマニュアルにはないんだろうね。英国の有能な執事なら言うでしょうね。もちろん笑顔付き。言語の領域からオシャレ学というか、文化背景に踏み込む気がする。日本のマニュアルはフローチャートしか作らないからね。いろんな会議には「想定問答集」を作るらしい。嘆かわしい... (大学英語教員)

    (3) 「お客さん(お客様)のおことばで十分ですよ。」
    はいかがでしょうか。アメリカ人っぽいでしょうか。(笑)(応用言語学大学院生、アメリカ人)

    (4) 「ありがとうございます。そのお心遣いだけ受け取らせて頂きます。」
    (観光学関係学部生)

    (5) 「ありがとうございます。私どもはお客様のお申し出で対応しておりますので、証明書等は不要でございます。」
    (観光学関係学部教員、元キャビンアテンダント)

    どの回答も素敵ですが、わたくしとしては(5)にグランプリを差し上げたいと思います。選考の基準は《あのホテルのレストランの場面で対応してくれたかたがどのことばを発したら一番気持ちがよいか》です。この回答者は元キャビンアテンダントということですが、こういうことばがすぐに出てくるように研鑽を詰まれた結果だと思います。すばらしい!

    【追記】
    その後、アメリカ在住のかたから以下のコメントをいただきました。
    ---
    面白い問題ですね。昨夜コメントしようと思いながら、寝てしまい、今朝見たらすでにいくつか例が挙げられていたので、この時点ではあまり意味がないかもしれませんが、、私は個人的には、ニッコリ笑顔で、係の人が先生に言ったように「いえ、結構でございます」、あるいは「必要ありません」あたりがいいと思います。「信頼しています」などの言葉を入れたり、店の方針などを入れると、私には少しぎこちなく思えます。よく説明できませんが、何か言い訳(?)をしているような感じに聞こえるのかもしれません。まあ、ディスカウントの割合がどの程度かわかりませんが、利益が出るように設定しているでしょうから、仮に嘘をついている客がいたとしても、そこで証明させようとするよりは、気分よくまた再来してくれる方が店にとってもいいかもしれまん。先生は髪の毛もふさふさしていて、お年寄りもわかく見えるので、ひょっとしたら係の人も心の中で「ちょっと若いな」と思ったかもしれませんが、誠実なお人柄がお顔ににじみ出ていたのが感じられたのかもしれませんね。
    ---

    (3)のアメリカ人のコメントにつうじるものがあっておもしろいですね。ここまで来ると、どんな雰囲気のレストランであるのかというような要因も絡んできそうですね。なお、わたくしの髪はすでにふさふさ状態ではなくなりました。

    【再追記】
    アメリカ在住の別のかたからはこんなコメントが寄せられました。
    ---
    アメリカにいると "I need to see your ID."みたいな物言いになれてしまうので、こういう時の対応はさっと言葉が出なくなりますねえ。
    ---

    内モンゴルからの留学生はこんな感想を寄せてくれました。
    ---
    もう素晴らしい答えもでているようですね。自分はその場面を想像してみました。たぶん大津先生は満面の笑みで証明書出そうかと言いながら、レジ係の表情をみていてただろうな。確かに、お客様が何の目的であろうが、“いいえ、けっこうです”は軽いかなと思います。一言お礼いを言うのが普通ですね。

    日本人母語話者の回答を見るとなかなか私から想像できない答えです。言いたくても言えないのがはすかしながら自分の日本語能力に問題であることは分かっています。ただし、今回は接客マニュアルにない展開ので、素直にけっこうですと言ったでしょう。

    私個人的面白い(ユーモア)人にオリジナルの答えしてもよいと思います。聞いた話ですが、日本で関西人は関東人よりユーモアということです。話は以下です。

    場面はスーパーのレジのおばさん
    お客さん、五十代 男性
    レジ係、同年代 女性

    客:お姉さん、ちょっと安くしてくれよ
    関西レジ係:(笑ながら)すまんね、そのうち私が店長になったらそうするね

    客:お姉さん、ちょっと安くしてくれよ
    関東レジ係:(おじぎしながら)お客様大変申し訳ごさいません。当店ではお安くすることできません。

    これは、先生がいたずらした気持ちと同じタイプかなと思います。もし外れていたら、すみません。
    ---
    外国語と外国文化についてこれだけの観察と報告ができる院生がいることは大津研の誇りです。


    ここで問題です

    年に2回やってくる腰痛がおとといやってきました。手慣れたかかりつけの医者は「ああ、もうそんな季節ですか」と軽口をたたいて、治療をしてくれました。「きょう一日は寝てなさいよ。動いたらだめだよ」で終わればよいものを「ともかく、根本的には痩せることだよ」と付け加えました。いやな医者です(^^)。

    というわけで、(すでに仕事に復帰していますが)あまり動けないので、これまで書きたかったけれど、時間がなくて、書けなかったことを書きます。

    数日前、とても大切にしている友人が訪ねてきたので、新浦安のブライトンでランチを食べました。あらかじめネットで料金などを確かめておいたのですが、65歳以上の人にはシニアディスカウントがあるということがわかりました。

    ランチが終わって、支払いをする段になって、係りの人に「わたくしは65歳を超えているので、割引がありますよね」と伝えると、「ええ、ございます。引かせていただきます」という答えが返ってきました。

    そこで、いたずら心が働きました。「免許証とか、保険証とか、年齢がわかるものを出しましょうか」と尋ねたのです。すると返ってきた答えは「いえ、けっこうでございます」。先方の発話意図は《お客様を信頼しておりますから、そのようなご面倒は不要でございます》程度のものだったと思うのですが、とりようによっては(実際、わたくしには最初、そう思えたのですが)《あなたが65歳以上だということはお姿を拝見すれば一目瞭然です。わざわざ証明していただくまでもございません》とも解釈できます。

    ここで問題です。このような状況で、お客に「免許証とか、保険証とか、年齢がわかるものを出しましょうか」と尋ねられた係りの人はどのように対応するのが最適解でしょうか。回答は
    oyukio\meikai.ac.jp
    oyukio\sfc.keio.ac.jp
    (それぞれ、\を@に替える)

    別件ですが、あすは、「「はじめまして」講演会2014」です。多数のご来場をお待ちしています。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2014/05/2014.html



    2014年6月12日木曜日

    明海大学庶務課主催セミナー 「競争的資金獲得のコツ」

    昨年度に引き続き、今年度も明海大学庶務課の主催で、 「競争的資金獲得のコツ」というセミナーを開くことになりました。わたくしが講師を務めます。

    「競争的資金」というのは、内閣府の規定によれば、「第3期科学技術基本計画において定義されているとおり「資源配分主体が広く研究開発課題等を募り、提案された課題の中から、専門家を含む 複数の者による科学的・技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択し、研究者等に配分する研究開発資金」のことを指す」(http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/)ということになります。ごく簡単に言ってしまえば、たとえば、勤務先の大学からほぼ一律に専任教員に与えられる研究費などと異なり、資金を必要とする研究者が自ら研究計画を立案し、それをもとに資金の配分を申請し、審査に通ると、得られるという資金のことです。審査の過程で、他の研究者との「競争」が起こりますから、「競争的資金」と呼ばれます。

    競争に勝ち、資金を得るためには、きちんとした研究計画を立てることが必要なのはもちろんですが、それだけでなく、さまざまな工夫も重要です。その辺りを一括して「コツ」と呼び、できるだけインフォーマルな形でお話しようという試みです。

    教職員の方々はもちろんですが、大学院生にもぜひ参加してほしいと思います。留学生にとっては日本国内で応募できる競争的資金は多少限定されますが、それぞれの国にも類似の競争的資金があるはずで、今回の話はそういった競争的資金を得ようとするときにも役立つはずです。

    また、代表的な競争的資金である「科学研究費補助金」などは税金で賄われている部分が大きいので、一般の方々にとっても無縁の話ではありません。興味がおありでしたら、歓迎いたしますので、ぜひお越しください。

    1 日時  2014年7月3日(木)17:00~18:30
    2 場所  浦安キャンパス講義棟 2537講義室
    3 講師  外国語学部 大津由紀雄

    事前申し込みなどは不要です。

    2014年6月2日月曜日

    原口庄輔さんのご命日

    ことしも原口庄輔さん(元外国語学部長、教授)のご命日が近づいてきました。「大津研ブログ」に文章を載せました。よろしければ、ご覧ください。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/06/blog-post_2.html

    若い人には「原口先生」と言ってもピンとこない人も多いでしょう。こんな人でした。
    http://oyukio.blogspot.jp/2012/06/blog-post_11.html
    http://oyukio.blogspot.jp/2013/06/blog-post.html


    ゼミ旅行と研究室の仕事

    ゼミ旅行の日程は先日発表したとおりですが、「未定」とした人、「不可」とした人が参加できるようになったら、すぐに連絡してください。宿はこじんまりした場所なので、対応できる人数に限りがあります。定員を超えたら、希望しても、その希望に応えられなくなります。

    きょう、質問を受けました。「研究室の仕事の手伝い」とことを時々書いているが、どんな内容の仕事なのかという質問です。いろいろあります。順不同に思いつくまま書きます。

    1 わたくしの(すでに発表された)論説の整理。電子ファイルを整理し、簡易データベースを作る。(専門的知識や技術はほぼ不要。)

    2 研究室の本の移動。7階の研究室と6階の新学術領域開発室の間で本の移動。

    3 幼児、児童を対象とする予備実験の補助。

    4 小学校英語関係の文献の収集。ネット上のものも含めて、収集する。

    5 入門期の英語でつまずいた人たちの再入門コースの準備。

    ほかにもいろいろとあります。こんなことで大津に協力したいと言ってくれれば、考えます。

    なお、仕事はゼミ生に限らず、だれでもできます。関心のある人は(《じぶんにできるだろうか》などと心配することなく)遠慮なく、申し出てください。仕事(アルバイト)ですので、規定に従って謝金を支払います。



    2014年5月27日火曜日

    ゼミ旅行

    ゼミ旅行の日取りですが、9月14日と15日に決定しました。宿が対応できる人数上限まで多少余裕がありますので、「未定」とした人はなるべく早く知らせてください。先着順で受け付けます。


    2014年5月25日日曜日

    ;大津ゼミのみなさん

    ゼミ旅行についての調査の締め切りはきのうでしたが、まだ回答していない人がいます。まだ、予定がはっきりしないというのであれば、そのように書いて回答すればよいのです。参加者数によって(少なすぎても、多すぎても)宿に迷惑がかかるので、至急、参加者数を把握しておく必要があるのです。

    最近、感じ始めたことですが、みなさんは「ゼミ」というものをちょっとだけその担当の先生と親しくなるが所詮、普通の科目の1つと考えていませんか。ゼミ、少なくとも大津ゼミは家庭のようなものです。火曜日のあの時間だけ集まるというものではありません。研究室に話に来る、食事をする、たまには呑みに行く、ディズニーランドはともかく、葛西臨海公園なんてすぐ近くなんですから、みんなでピクニックにでかけるだなんていうのも悪くはありません。

    発言したり、なにかに積極的に申し出ると「浮いてしまう」と心配している人はいませんか。多くの人たちがそんな気持ちでいたら、ゼミは沈んだものになってしまいます。せっかく、「楽しく、にぎやかに」というスローガンの大津ゼミを選んだのですから、ぜひ楽しく、にぎやかにやりましょう。

    こうしてほしい、こうしたらどうか、といった意見、大歓迎です。聞かせてください。

    あ、「新浦安日記」は毎日、覗いておこうね。

    2014年5月21日水曜日

    ゼミ旅行調査

    ゼミ旅行についての調査です。24日(土曜日)までにわたくしのメールアドレス宛に回答してください。回答は必須です。ゼミ員、Joe、矢持先生以外の参加希望者も空席がある範囲で受け入れますので、回答してください。

    1 【基本案】 9月に軽井沢で行う。1泊2日。1日目午後現地集合。そのあと、講演。夜は呑み会。2日目午前は研究発表など。正午ごろ現地解散。

    宿代は食事代などを含んで1万円(ゼミ合宿特価)。それにおつまみや飲み物を買うお金と交通費です。交通費は新幹線を使うと、片道5630円程度。時期によって、若干高くなる可能性があります。池袋からの高速バスだと軽井沢まで片道1500円です。
    http://www.kosokubus.com/special/nagano/?in=flash

    金銭的な問題がある人は申し出てください。研究室の仕事を割り振ることも可能です。

    以下の日程で、参加可能な日取りに○、不可能な日取りに×をつけてください。いずれも9月です。
    【  】 7、8日
    【  】 8、9日
    【  】 9、10日
    【  】 12、13日
    【  】 14、15日
    【  】 15、16日

    2 【代案】 代案のある人は書いてください。

    3 ゼミ旅行に関して意見のある人は聞かせてください。また、相談ごとのある人もその旨、書いてください。


    2014年5月20日火曜日

    ゼミ生のみなさん きょうは図書館集合だよ!

    きょうのゼミの時間は図書館ガイダンスです。いつもの時間に図書館入口に集合。持っていくもの覚えていますね。じゃあ、またあとで。


    2014年5月18日日曜日

    「はじめまして」講演会 2014

    1年前、わたくしが明海大学専任教員として赴任したとき、「はじめまして、大津です」講演会を外国語学部英米語学科主催で開催してもらいました。もともとはわたくし自身が言い出した企画で、新任教員が自己紹介する趣旨の講演会はその大学コミュニティにとってとても重要なものだと考えています。そこで、今年度も、英米語学科新任の3人に自己紹介講演を依頼しました。今度はわたくしがプロジュースする側に回ります。

    日時: 6月19日(木曜日)午後6時から2時間程度の予定
    場所: 明海大学浦安キャンパス2507番教室
    講師と演題(登壇順):
    山泉実「英和辞典の使い方―限られた時間で何をどう教えるべきか」
    金子義隆「英語教育と動機づけ」
    嶋田珠巳「コミュニティ!―アイルランド英語と明海大学と社会言語学の楽しみ」 

    この講演会では、その3名が自己紹介を兼ねて自身の研究やその成果の一端についてわかりやすく語ります。それぞれ30分の講演と10分の質疑応答を予定しています。

    英米語学科の学生、教員はもとより、広く明海大学コミュニティーのみなさんのご来場をお待ちしています。また、この講演会は公開ですので、浦安市民のみなさんをはじめ、講演内容にご関心のある方々のご参加も大歓迎です。 知的で、楽しいひとときをぜひご一緒に!                  

    2014年5月14日水曜日

    大津担当の特別演習、特別研究、卒論指導の受講者の皆さん

    大津担当の特別演習、特別研究、卒論指導の受講者の皆さん、今後の日程調整のため、5月30日(金曜日)正午に大津研究室に集合してください。(いまのところ)その日は3時まで時間を空けてありますので、研究発表の希望者はハンドアウトとpptファイルを持参してください。ハンドアウトは一応15部用意してください。

    矢持さんも可能なら参加してください。

    指定の時間帯に講義などの予定が入っている人はその旨、メールで連絡してください。

    大津の部屋---おひまなら来てよね

    次回、大津の部屋---おひまなら来てよねを5月23日(金曜日)午後6時からニューマリンズで開催します。いつものとおり、みなさんのお越しをお待ちしています。

    今年度は前期のみですが、火曜日の6限(午後6時から7時30分まで)に講義が入っているため、大津の部屋---おひまなら来てよねの開催が金曜日に偏ってしまいます。もうしわけありません。後期は火曜日開催もありえます。


    2014年5月13日火曜日

    来週の大津ゼミ(学部用)

    5月20日のゼミは図書館オリエンテーションです。そこで、いつもの教室ではなく、図書館(メディアセンター)の入り口に13時10分に集合してください。時間厳守です。その際、PC用のIDとパスワードの情報を把握しておいてください。これがないと実習ができません。忘れてしまった人はSISで確かめることができるそうです。もう一つ、学生証。これがないと図書館に入れません。

    このオリエンテーションは非常に重要ですので、体調を壊すことがないように注意してください。


    2014年5月6日火曜日

    第1回ゼミ呑み会

    楽しい呑み会でした。15名だったかな、全員の参加は叶いませんでしたが、にぎやかな会になりました。ことしは女子優勢のメンバーで、今回も男子はわたくしも含めて2人でした。

    例年になく(と言っても明海では2年目ですが)酒呑みが多く、それはもうにぎやかというか、騒がしいというか、すばらしい会でした。さいわい、連休中ということもあって、座敷には他の客がいなかったことも幸いでした。

    まだわたくしのことを「怖い」「面と向かうと緊張する」などと思っている人も少なくないので、あのような場で、実際はそうではないのだということを実感してもらえれば、なによりです。だれが言ったかは忘れてしまいましたが、終盤には「先生はもっと顔の手入れをしなくてはいけない」というような(はなはだおっせかいではあるが(^^))助言までもらい、ことのほか、うれしい気分になりました。

    バイトで来られなかった人もいたので、またやろうと思います。お金がなくてという人もいました。そういう場合は相談してください。研究室絡みのアルバイトをしてもらうこともできます。

    今回は大学院生2名に、新任の(と言っても、すでに数年は明海にいるような雰囲気の)嶋田珠巳さんも来てくれて、うれしい限りでした。

    わたくしは還暦を越えた辺りから、夜は早寝になってしまって、ことに酒を呑むと8時、9時には一度睡魔が襲ってきます。自宅では呑まない(理由1、呑んでいては商売にならない、理由2、連れ合いが呑まないので、1人で呑んでもつまらない)ので、呑むのは外。したがって、問題は帰りの電車です。きのうは乗り過ごすことはなかったけれど、一度、武蔵野線に乗って東京でも目覚めず、折り返して、新浦安を越えて、三郷のあたりまで行ってしまったことがあります。次回、呑み会で寝始めたら、起こしてちょうだい。

    今回の仕切り役は藤井、お疲れさま。仕切りが上手で、感心しました。

    さあ、連休も終わり、新浦安再始動です。



    2014年5月4日日曜日

    あすはゼミ呑み会

    世の中は連休らしいが、当方、休みもないまま、あすはいよいよゼミ呑み会となった。大いに楽しみにしている。今朝までは、あすは幹事と二人でさしで呑むことになるのかとも思ったが、まあ、どうにかそういう事態にはならなくてすみそうだ。

    どうも「新浦安日記」を毎日読むことという約束と、行動は迅速にという原則が守られていないようだね。ゼミが始まって、もうひと月。そろそろ、そういう習慣をきちんとつけないといけない。

    もう1つ。メールを送るときには、

    1 「件名」は必ず書く。
    2 本文の冒頭に宛名を書く。
    3 本文の最後に自分の名前を書く。

    ことに、スマホなどから送るときには十分に注意すること。

    さらにもう1つ。吞み会代が不足しているので参加できないという申し出もあったが、そういう場合には研究室関連のバイトで呑み会代を作ることも相談可能なことを忘れないように。吞み会はバカ騒ぎするだけ(それも重要な要素だが)のものではなく、他の人との交流の中でさまざまなことを学ぶ場でもあるので、ぜひたくさんの人に参加して欲しい。できれば、全員が揃うとうれしいね。




    2014年5月1日木曜日

    ゼミ呑み会

    すでに案内してあるとおり、5月5日に大津ゼミの呑み会を開きます。関係者は参加してください。昨年の大津ゼミのメンバー、大津の講義の受講者などにも広く開放します。

    5時45分ごろまでに新浦安のさくら水産前に集合です。参加者は人数確定のため、事前に以下までメールをください。
    oyukio@meikai.ac.jp

    さくら水産情報は以下にあります。
    http://www.teraken.co.jp/shop/shop-191/

    2014年4月27日日曜日

    失望した

    院生のみなさん、きのう、きょうと東京言語研究所の春期講座が開催されました。たくさんの参加者があり、充実した講義を楽しみました。しかし、そこにいた明海大学院生は3名。あれだけ、ブログでも案内し、その重要性を伝えたにもかかわらず、この状態であったことに大きな失望を覚えました。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2014/04/blog-post_7.html

    アルバイトがあったという人もいるでしょう。しかし、日程は2日間、午前10時から午後5時まで、その間ずっとアルバイトがあった人はそうたくさんでいるとは思えないのです。参加費が工面できなかったという人もいるでしょう。でも、そうであれば、どうして事前に相談に来ないのですか。たとえば、研究室関係の仕事をアルバイトしてやってもらい、それを受講料に充てることもできたと思います。

    要するに、やる気があるか、ないかの問題だと思います。やる気がないのであれば、そのように言ってください。わたくしもそのつもりで対応します。また、もしみなさんの事情についてのわたくしの理解が十分でないなら、そう指摘してください。このままでは、非常に不幸な関係に陥ってしまうことになりかねませんので。


    2014年4月25日金曜日

    5・5 ゼミ呑み会

    5月5日に設定したゼミの呑み会、6時から新浦安のさくら水産でということに決定しました。そこで、参加できる人は5時45分ごろ、さくら水産前に集合してください。そして、人数確認のため、参加できる人は参加する旨、わたくしのところにメールをください。
    oyukio@meikai.ac.jp
    (4月27日まで、上のアドレスの表記が間違っていました。)

    みんなで楽しくやろう。

    大津由紀雄

    2014年4月20日日曜日

    「ことばにめざめる」

    「大津研ブログ」にも記事を載せましたが、きょうの朝日新聞別刷Globeの特集「ことばにめざめる」は優れた記事です。大津のゼミ、特講、院ゼミなどを受講しているみなさんは今週の授業時までに読んでおいてください。朝日新聞を購読していない人はネット上でも閲覧できます。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/04/blog-post_20.html

    【付記】
    上の記事について、TAのJoe Taboltくんから「先生のブログではオンラインで見られるというように書かれていますが、それぞれのPart1だけ読めるようになっており、その続きを読むために購読申し込みが必要となっているようでございます」という指摘を受けました。

    リンク先の「大津研ブログ」の記事で、「一部有料」としたのはその意味だったのですが、不親切だったかもしれませんね。

    さて、ここで問題です。朝日新聞を購読している人は「読んでおいてください」と言った記事を読めるからよいとして、そうでない人はどうしたらいいでしょうか。

    (1) めんどうだから、なにもしない。
    (2) 購読していないのだから、ネット上で読める部分だけ読んで、ノートをとっておく。
    (3) 購読していないが、「優れた記事」だと言われれば、ぜひ全体を読みたいので、その方法を考え、講義日までに全体を読んで、ノートをとっておく。

    わたくしの願っている答えはわかりますよね。さて、「その方法」とはどんな方法でしょうか。もちろん、そのために新聞の配送所に行き、1部買い求めるとか、朝日とネット契約を結ぶとかという方法もありますが、お金をかけずにすむ方法はないでしょうか。



    2014年4月13日日曜日

    ハリボテ英語力、ハリボテ知性、ハリボテ人間力

    現在は品切れ状態になっているようなので、知らない人も多いかもしれませんが、有坂誠人が書いた「例の方法」というシリーズがあります。調べてみると、津田秀樹という人も同趣旨の本を何冊も出しているようです。

    「同趣旨」と書きましたが、その趣旨をWikipediaの記述を借用して紹介すると以下のようになります。

    ---
    例の方法(れいのほうほう)とは、有坂誠人代々木ゼミナールの講師時代に教えていた受験テクニックの一つ。及びその方法についての学習参考書マークシート試験などの選択肢問題に関して、問題文を読まずに選択肢の長さや内容から解答を導き出すというもの。
    ---
    有坂本人のことばも引用しましょう。
    ---
    (前略)"勉強"の目的と"お勉強"の目的とはおのずから異なるわけで、"勉強"の目的は、キザに言えば<真理の追究>で、"お勉強"の目的は<点数の追及>でしょう。その<点数の追究>なんてものは、テクニックを使って要領よくやれということなんです。(有坂誠人   『試験で点がとれる有坂誠人の現代文速解 例の方法』(1987、Gakken)、p.3)
    ---
    有坂の言う"勉強"とは「あなた自身が興味をもって、周りがとめてもどうしてもやりたい、そういうもの」(同書、p.2)であるのに対し、"お勉強"とは興味はないがしかたなくやるもので、「イヤなもの」(同書、p.3)だそうです。

    この区別は有用です。実際、たくさんの人が同様の区別をしています。ただ、それらを何と呼ぶかは人によって異なっているので注意する必要があります。

    さて、読者の多くは明海大学で学ぶ学生、院生のみなさんです(ちなみに、最近はそれ以外の読者が急増していて、ひょっとすると、夏ごろまでには逆転するかもしれません)。みなさんの多くはTOEICやTOEFLのスコアや英検の級などがとても気になっていることと思います。これらのテストは英語学習の動機づけという観点から意味がないわけではありません。《いまはTOEICのスコアが350なので、秋までにはなんとか500まで伸ばしたい》とか、《英検2級なので、今年中には英検準1級を目指したい》とか、「数値」目標が設定され、それに向って努力する。そして、それが達成されたときには大きな喜びが得られ、さらに上の目標を設定し、その達成を目指す。そのときに、《英語が使えるようになりたい》と強く願い、そのための努力の一環として、いま書いたことが行われるのであれば、(とりあえず)問題はないのですが、《将来英語を使わなくてはいけないこともそう多くはないだろうし、別に英語が使えなくてもかまわない。でも、そうは言っても、TOEICで500をとっておかないと進学できないし、就活でも苦労するだろう》と仕方なくやっているのであれば大いに注意が必要です。

    言い換えれば、TOEICなどの準備を有坂の言う"勉強"としてやっているのであれば、(とりあえず)問題ないが、"お勉強"としてやっているのであれば、大いに注意が必要だということです。

    ---
    【注】二度も、「"勉強"としてやっているのであれば、(とりあえず)問題ない」と「(とりあえず)」という条件を加えたのは、TOEICが測ることができる力は限定的ですので、高いスコアが取れたからと言って万能だというわけではないからです。これはTOEICに限らず、どんなテストにも当てはまることです。
    ---

    "お勉強"であれば、スコアの向上だけが目標になります。あるいは、主たる目標になります。そうなれば、「例の方法」の出番となります。少し大きめの本屋さんへ行ってみると、TOEIC、TOEFL対策本がたくさん並んでいますが、まさに「例の方法」指南本のようなものも少なくありません。また、スコア向上のノウハウを教授するプロ集団も存在するということを最近知りました。

    そういう視点でTOEICの「公式問題集」を見てみると、出題側もさまざまな工夫を凝らして、「例の方法」では正解に辿りつかなくなるようにしていることがわかります。ただ、こういうことはいたちごっこになるのが世の常で、こんどは指南者側が「例の方法」を改訂させて対応するということの繰り返しになっているようです。

    大学生とて霞を食っては生きていけませんので、就職活動を成功させるために「例の方法」を身につけ、スコアを少しでも上げようとする努力を意味がないものだとは口が裂けても言えません。ここで、きちんとさせておきたいことは、「例の方法」を身につけて、どれだけスコアを上げても、それだけでは英語の運用能力に結びつかないということです。

    TOEICで800点、900点という高得点獲得者を採用したが、まるで英語が使えないので唖然としたという企業側からのコメントを耳にすることがあります。実際に企業内で英語を使うときには、その企業の実情によって使う英語の種類(語彙、構文など)や英語の使い方が違ってくるでしょうから、そうした観点からの訓練が必要なことは言うまでもありません。ただ、英語が使えないという企業側からのコメントはそういうことではなく、そもそも、英語の基礎力がついていなという趣旨のものです。

    どうしてそんなことが起きるのか。もうお分かりいただけると思いますが、英語テスト対策を「例の方法」だけに頼って行っただけでは英語の力はつきません。英語ができるように見えるだけ、見せかけだけの英語力しかないということになります。これをわたくしは「ハリボテ英語力」と呼んでいます(©金子哲士、2014)。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/03/blog-post.html

    きちんとした企業の人事担当者はこの辺りのところを認識していて見抜こうとします。そういう人が面接者としてやってきたら、ハリボテ君はひとたまりもありません。

    地道に英語を学ぶ、当然のことですが、最近はあまりはやらない。でも、これしかないのです。明海大学外国語学部英米語学科では、地道に英語を学ぶことの重要さを強調し、さまざまな講義や演習を提供することでそのための支援を行っています。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2013/06/blog-post_18.html

    TOEICのスコア向上だけを目指すのではなく、まずは英語とはどのような性質を持った言語であるのかをきちんと把握しておく。これは、発音についても、語彙についても、文法についても、文章についても、使い方についてもあてはまることです。そうした基礎力をきちんと身につけておけば、《結果として》(ここが重要です)TOEICのスコアは上がります。そして、それは就職活動においても大いに力を発揮するはずです。そういう実生活上の《ご利益》もあるのです。

    もしあなたが明海大学の英米語学科の学生だったら、だまされたと思ってわたくしの言うことに耳を傾けてください。そして、上で述べた英語基礎力をきちんと身につけた学生が増え、就職活動でよい結果を出し、採用後も力を発揮すれば、《明海の英米の卒業生はあてにできる》という評判が広がります。そして、そのことが明海大学の評判を高め、後に続く、後輩たちに力を与えることになります。

    ここまでの話は英語についてでしたが、まったく同じことが、大学で学ぶこと全体にも当てはまります。"お勉強"として大学で学ぶのであれば、望みの企業、よい企業に職を得ることだけが目標となります。それがうまくいくように、「エントリーシートの書き方」「面接の受け方」をはじめ、たくさんの支援を受けることができます。でも、それだけでは「ハリボテ知性」「ハリボテ人間力」しか身につきません。企業の人事担当者はその点についてもとっくにお見通しです。

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    【注】念のために書き添えておきます。わたくしは「エントリーシートの書き方」「面接の受け方」などの支援が無意味だと言っているのではありません。逆に、大いに意味があると思っています。問題は《それだけ》に頼っていてはだめだということです。
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    どうしたらハリボテでない知性、人間力が身につくか。答えは単純です。自分のあたまで考える習慣をつける。そのために、好奇心と探究心を大事にする。近視眼的な《ご利益》探究をやめましょう。まずは自分を磨いておく。その意味では、新入生のみなさん、よいタイミングでこの記事に巡り合いましたね。でも、2年生、3年生、4年生だって遅くはありません。自分磨きはいつでも始めることができます。そして、自信を掴んでください。すると、《結果として》希望に近い就職への道が開けてくるはずです。ここでも、実生活上の《ご利益》が期待できます。

    わたくしの講義を受けると、必ず最初に手渡される文書、それが「受講心得」です。ぜひそれを熟読してください。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2013/04/blog-post_12.html

    繰り返します。「ハリボテ英語力」「ハリボテ知性」「ハリボテ人間力」なんて意味がありません。本当の英語力、知性、人間力をつけましょう。努力は必要ですが、一生モノの力を得るための努力ですから、ちょっとだけがんばりましょう。ええ、《ちょっとだけ》でいいのです。一度、勢いがついたら、とくに努力などしなくても、やめられなくなります。

    近く、今回の記事に書いたことなどを中心に話をしたいと考えています。そのときは改めて、このブログでご案内します。







    2014年4月10日木曜日

    基本的な姿勢

    新学年度が始まって数日経ちました。昨年度もそうでしたが、今年度も、みなさんに注意しておきたいことがたくさん出てきました。とりあえず、重要なことを以下に書いておきます。

    1 大学での講義は(古臭い言いかたですが)真剣勝負です。まっとうな大学教員であれば講義のためにたくさんの時間とエネルギーを注いで準備します。ですから、講義を受ける学生や院生にはそれに応えることができる真剣さで臨んでほしいのです。いい加減な気持ちで教室にやってきて、なんとなく時間をつぶすのであれば、教室に来ないでください。

    2 学生や院生に、「私用があるので授業を欠席します」とあっけらかんに言われてしまうととても当惑します。私用は授業を欠席する理由になりません。それでも欠席するというのであれば、その責任は自分で負ってください。わたくしの講義の進め方は積み重ねなので、講義に欠席してしまうとそのあとが大変です。どうやったら、その埋め合わせができるか、よく考えてください。わたくしも校務やその他の公務で休講にせざるを得ない場合もありますが、その場合もきちんと責任をとって、その補いをきちんとします。

    3 メールでの連絡は大歓迎ですが、件名がなかったり、本文に宛名、差出人名がなかったり、文章が乱れたりと、いろいろと問題のあるメッセージが届きます。注意点を要領よくまとめたウェブページがありますので、紹介します。
    http://user.keio.ac.jp/~matsuoka/mailsample.htm
    慶應義塾大学の松岡和美さんのページです。参考にしてください。

    こうした基本的な約束を守ったうえで、楽しく、にぎやかにやりましょう。

    あす11日は大津の部屋です。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2014/03/4.html
    だれでも参加できます。ぜひおいでください。

    2014年4月7日月曜日

    もっと行動を迅速に!

    あすから授業が始まります。院生のみなさん、学部生のみなさん、大学生活を大いに楽しんでください。

    さて、この時点で、みなさんに伝えておきたいことがあります。それは行動を迅速にするように努力して欲しいということです。

    たとえば、少し前に、東京言語研究所の春期講座や理論言語学のことを書きましたね。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2014/03/blog-post_28.html
    しかし、明海大学の院生、学部生ですでに申し込みをした人は2名だけです。あの記事を読んだ、他大学の院生や学部生がたくさん申し込んでいるのに、内輪がこのような状態ではがっかりです。

    院生の皆さんには、オリエンテーションの時に、関連学会にはできる限り会員になり、大会や講演会などにも参加するよう伝えましたね。みなさんは、どんな学会があるのか、申し込みにはどのような手続きが必要なのか、調べましたか。大会や講演会の日程も把握しましたか。だれか積極的に一覧表などを作ってネットにアップしてもいいと思うのですが、どうもそういうこともないようですね。

    大学にいられる時間はすぐに経ってしまいます。せっかく、お金と時間をかけて、大学に入ったのですから、最大限のエネルギーをつぎ込んでください。

    大いに期待しています。

    2014年4月5日土曜日

    がんばれ、院生! あるいは、明海大学大学院応用言語学研究科の魅力

    きのうは大学院生向けのオリエンテーションと懇親会がありました。

    オリエンテーションの冒頭でこんなことを言いました。《明海に来て1年経ったが、なににがっかりしたと言って、院生のふがいなさほどがっかりさせられたものはない》。その意味は、院生同士の議論がほとんどない、積極的に指導教授に議論をふっかけるという雰囲気に欠ける、学会などに積極的に参加し、議論に参加しようとする院生が少なすぎるということです。

    大学院での生活はなんと言っても研究三昧であるべきです。何を置いても研究が優先する。そんんな浮世離れした生活を送って欲しい。そうそう、このブログはかなり広範に読まれていますので、念のためにつけ加えておけば、「浮世離れした」と言っても、社会の問題に背を向けて、無関心でいろと言っているわけではありません。研究三昧という状態が社会一般ではあまりない、もう少し言えば、しようと思ってもできないことだということです。

    誤解を恐れずに言えば、修士論文や博士論文の執筆を目標にしてはいけません。修士論文や博士論文は大学院時代の研究三昧の生活の報告書と考えるべきです。ちなみに、そう考えれば、ネット上の情報や他人の論文をコピーして貼りつけるなどということをしようとは思わないはずです。

    まずは、仲間との議論、先生がたとの議論を大いに実践してください。姉妹ブログの「大津研ブログ」に載せた、以下の記事も参考になると思います。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/03/janet-randallfacebook-httpwww.html

    明海大学の応用言語学研究科は大いなる可能性を秘めた研究科だと思っています。ただ、これまでは、日本で唯一の応用言語学研究科であるとか、著名教授が揃っているとかということだけを売り物にしてきたきらいがあります。他に「応用言語学研究科」を名乗るところがないのは我が研究科に先達としての魅力が欠けていたということなのかもしれません。また、大学院にとって重要なのは現時点で生産的な研究を行っている教員が揃っているかどうかで、教員が「著名」であるかどうかは本質的なことではありません。

    我が応用言語学研究科が優れているのは、基礎科学としての基礎言語学をきちんと身につけ、そのうえで、その応用を考えるべきだという明確な方針を持っていることです。そのことを明確に意識した教員が研究科の活動を支えています。もちろん、基礎言語学で論文を書くことも可能です。

    今年度はそうした方針に沿って、若手教員の大学院担当の枠を大きく増やしました。また、新たに他大学で優れた実績を持つ教員を明海大学の専任として招きました。結果として、今年度のカリキュラムは従来よりも充実したと考えています。

    院生のみなさんはどうぞこの研究科の院生であることを誇りに思い、大いに議論してください。


    2014年4月4日金曜日

    期待が膨らむ船出---新入生へのはなむけ

    きのうは入学式でしたが、そのあとのオリエンテーションで、学年別の総合オリエンテーションは終わりました(新入生用には個別の事柄についてのオリエンテーションが続きます)。

    昨年、専任として赴任したわたくしにとっては2度目の経験でしたが、とても印象的だったのは、各学年とも私語がまったくないか、ほとんどない状態で、しかも、多くの参加者が顔を上げて、話し手の顔を見て、熱心に聴いていたことです。まあ、ふた昔前であれば、こんなことはごくごく当然のことで、あえて書くには値しないことだったのですが、ここ数年は私語が飛び交い、携帯の着メロが響き、なかには、携帯で話をするという猛者までいるという状態が(これは明海大学に限らず)多くの大学で見られたことを考えると、ちょっとした驚きでした。

    学部長、学科主任の話を含め、登壇者はみな話し上手で、しかも、よく練られたスピーチや説明がほとんどでしたから、聴くものを飽きさせなかったということもあるかと思います。また、学生の就職の世話にも多くのエネルギーをつぎ込んでおられる日野教授のご尽力で実現した、卒業生による現役学生に対するはなむけのことばもとてもすばらしいものでした。東武デパートの広報担当としてがんばっている卒業生、日系エアラインの客室乗務員にこの春、採用された卒業生、いずれのかたの話も聴いている学生たちに(そして、先生がたにも)勇気を与えました。

    あとは、自信です。

    どこの大学でもそうですが、明海大学外国語学部英米語学科というあこがれのところに入学できた喜びに溢れている新入生(そして、在学生)もいるでしょうが、ここは本意ではなかったと少なからず落胆している新入生(そして、在学生)もいるでしょう。でも、(きのうもお話しましたが)明海大学外国語学部英米語学科という場で、こうしてみなさんと出会えたというのもなにかの縁なのです。わたくしはその縁を大事にしたい。《そうかもしれないな》と感じるところがあったら、わたくしを信じて、その縁を大事にしましょう。

    だまされたと感じることがあったら、いつでもメールをください。メールのアドレスは、
    oyukio[@]meikai.ac.jp
    です。@(日本語では「アットマーク」、英語ではat sign、at symbol)を囲んでいる[ ] は外して使ってください。[ ]をつけてあるのは悪意を持ったメールアドレス収集ロボットに見つけられないための手段です。)

    そうそう、このごろ、《学生が教授にメールなんか送っていいんですか》と聞かれることがよくあって、そのたびに驚かされます。いいも悪いもありません。伝えたいことがあったら、遠慮なく連絡してください。

    本題に戻ります。

    教室で、キャンパスで、街での人との触れ合いを楽しんでください。

    夏が近づくころには、《あれっ、以前の自分となにか違う》と感じるはずです。そうしたら、しめたもの。自信へ向かってまっしぐらです。

    以前に書いた「大津の部屋---おひまなら来てよね」、今年度第1回目は来週です。以下、転載します。新入生も大歓迎です。待っています。

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    ひと月に1度か、2度、午後6時からニューマリンズで開催する「大津の部屋---おひまなら来てよね」を4月11日に開催します。大津やその仲間たちと話したいかたはどなたでもかまいません。学生、院生、教職員、卒業生、浦安市民のみなさん、ぶらりと立ち寄ってください。お待ちしています。

    2014年4月2日水曜日

    教員免許状更新講習と出張講座

    明海大学の教員免許状更新講習と出張講座を担当することになりました。くわしくは、姉妹ブログ「大津研ブログ」の以下の記事をご覧下さい。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html

    教員免許状更新講習については導入の際、いろいろと議論がありましたが、導入されたからには先生がたにとって有益な機会になるように努めたいと思います。参加後の《ああ、参加してよかった!》という感想が目標です。

    出張講座は依頼校の費用負担が実質ゼロです。生徒向けの話でも、先生がた・保護者向けの話でも、いずれも対応可能です。テーマも可能な限り、ご希望に合わせたいと思います。


    2014年3月28日金曜日

    「大津研ブログ」もぜひご覧ください

    きのう、きょうと、こまぎれの時間が少しできたので、これまで書く時間がなかった情報を「大津研ブログ」に掲載しましたので、ご覧ください。
    http://oyukio.blogspot.jp/

    学部生、院生の皆さんは東京言語研究所についての記事をぜひ読んでください。春期講座は明海大学生や明海大学院生で満ち溢れる状況になったら、わたくしも(そして、研究所の運営委員長を務める西山佑司さんも)幸せです。

    そう言われたら、来るよね、みなさん!


    2014年3月25日火曜日

    たまには、こんな記事も

    姉妹ブログの「大津研ブログ」に(おそらくこの春休み唯一の)休日のことを綴りました。

    http://oyukio.blogspot.jp/2014/03/blog-post_25.html


    2014年3月24日月曜日

    来年度大津ゼミ生の皆さんへのメッセージ、プラス、4月大津の部屋---おひまなら来てよね

    卒業式も終わり、大学はいよいよ新学期へ向けて動き出します。毎年のことですが、この時期、とてもうきうきした気分になります。こんどの年度はどんな出会いがあるだろうかと考えるだけでわくわくします。

    大津ゼミ志望の皆さん、ゼミは学年暦どおり、4月8日から始めます。遅刻したり、体調を崩して欠席することがないように気をつけてください。なお、大津ゼミをとる皆さんは金曜日5限の、わたくし担当の「英語学特講」も併せて受講してください。両者が相まってよい効果をもたらすはずです。

    ひと月に1度か、2度、午後6時からニューマリンズで開催する「大津の部屋---おひまなら来てよね」を4月11日に開催します。大津やその仲間たちと話したいかたはどなたでもかまいません。学生、院生、教職員、卒業生、浦安市民のみなさん、ぶらりと立ち寄ってください。お待ちしています。


    2014年3月18日火曜日

    新学術領域研究 「こころの時間」

    新学術領域研究「こころの時間学」のfacebookが立ち上がったという記事を姉妹ブログの「大津研ブログ」に掲載しました。
    http://oyukio.blogspot.jp/2014/03/facebook.html

    この研究プロジェクトには西山佑司さんもメンバーとして加わっています。また、明海大学でも関連のイベントを開催する予定です。

    ご期待ください。

    2014年3月14日金曜日

    西山佑司さんの最終講義


    明海大学副学長、同大学外国語学部教授の西山佑司さんの最終講義が昨日(2014年3月13日)に開催されました。

    悪天候の中、参集してくださったおよそ100名の聴衆を前に、「単純な文ほどむずかしい ―意味の科学からコトバ教育を考える―」という演題で、主としてコピュラ文を題材に1時間30分にわたってお考えを披瀝してくださいました。以下が、西山さんご自身による「講義概要」です。



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    自然言語の文のなかで、もっとも単純な構文はA is Bのようなコピュラ文です。単純な構文だけに英語教科書の最初に、 This is a pen. My sister is a painter. Mary is the winner. などはかならず登場いたします。ところが一見、単純に思われるこの構文は、なかなか複雑でしかも豊かな構造を有しています。興味深いことに、この構文のポイントは、日本語の「ABだ」と「ABだ」の違いを正しく理解することによってかなり明確になると思われます。つまり、英語のコピュラ文の有する重要な点を生徒に理解させる有効な方法は、日本語の「は」と「が」の区別に生徒の注意を向けさせることなのです。この講義では、母語(日本語)のメタ言語意識を高めることが外国語の構文の深い理解にいかに重要であるかをお話しいたします。
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    最終講義の後は、会場を新浦安のオリエンタルホテルに移し、懇親会が開かれました。およそ80名の参加者があり、西山ご夫妻との会話を楽しみました。

    西山さんはまだまだお元気で、なにより、研究意欲が旺盛ですので、これからもいろいろな知的活動を展開されるものと思います。わたくしとのかかわりで言えば、今年度から始まった新学術領域研究「こころの時間学」でご一緒させていただいています。始まったばかりのプロジェクトですので、今後どんな知的興奮を共有できるのか、大いに楽しみです。

    西山さん、まずはお疲れさまでした。今後とも健康に留意され、わたくしたちに知的刺激を与え続けてください。





    2014年2月25日火曜日

    院生の皆さん、学部生のみなさん

    すでにご案内したように、西山佑司さんの最終講義が3月13日に開催されます。
    http://otsuyukio.blogspot.jp/2014/02/blog-post_11.html

    学外からたくさんの参加申し込みがあるのですが、肝心の明海の大学院生や学部生からの申し込みがあまりありません。もう少し近づいてからと思っているのかもしれませんが、早目に申し込みをしましょう。学部生については、大津のゼミや科目を履修した人たちだけでなく、西山さんのゼミや科目を履修した人たちも積極的に参加してください。

    この日の話は学部生にも理解できるように話してくださるとのことです。

    わたくしは、こういう機会や応用言語学会のようなときには、院生は受付などをするのではなく、できるだけ話を聴くようにすべきだと考えています。今回も、関係者に無理をお願いして、受け付けはアルバイトで対応し、質疑応答のマイクの手配も教員でするようにしました。院生は積極的に参加し、質疑応答にも貢献してください。

    上記に関連して、受付アルバイトを2名募集します。アルバイトは、最終講義の始まる1時間前から準備を開始し、途中で懇親会会場へ移動し、懇親会での受付の準備をしてもらいます。そのため、西山さんの講義などを聴くことはできませんので、できれば、英米語学以外の学部生、院生を求めます。もし知り合いで関心がありそうな人がいたら、ぜひ紹介して下さい。アルバイトですので、明海大学の規定に従って支払いをいたします。なお、TAなど明海大学と雇用関係のある人は採用できません。

    2014年2月11日火曜日

    西山佑司教授最終講義と懇親会

    明海大学外国語学部教授・同大学副学長の西山佑司さんが今年度末を以って、その職を退かれます。明海大学外国語学部(英米語学科)では以下の要領で、西山佑司教授による最終講義および懇親会を主催することにいたしました。どなたでも参加できますが、いずれも事前申し込みが必要です。ぜひこの機会に西山ワールドをお楽しみください。






    明海大学外国語学部(英米語学科)主催
    西山佑司教授による最終講義
    及び懇親会のご案内

     時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
     さて、明海大学外国語学部英米語学科では、
    下記の予定で、2013年度限りで退任される西山佑司先生
    (副学長、外国語学部教授)最終講義及び懇親会を行います。
      多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。

     ]

     西山佑司教授による最終講義
     日時: 2014313日(木)16001800
     会場: 明海大学浦安キャンパス、講義棟2205教室
     演題: 「単純な文ほどむずかしい 
         ―意味の科学からコトバ教育を考える―
     司会: 大津由紀雄 教授

     懇親会
    日時: 2014313日(木)18302030 
                                                  (受付開始:18:00)
     会場: オリエンタルホテル東京ベイ・
         宴会場「マルセイユ・ニース」(3)
         279-0011 千葉県浦安市美浜1-8-2 ; 
            TEL:047-350-8111
         (京葉線・新浦安駅北口から、
         ぺデストリアンデッキ直結で徒歩1
     会費: 4,000  (社会人の方)
               2,000  (学生の方)
    *懇親会会場で頂戴します。

    なお、ご出席される場合は、準備の都合上、最終講義、懇親会
    それぞれについて、31()までに下記のメールアドレスに
    お返事をいただければ幸いです。

     この件に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。
     *  電話:047-355-5120  (明海大学)
       *  メールアドレス: saishukougi@yahoo.co.jp
    *  担当:日野ひのひさのり(英米語学科教員)  

    2014年2月4日火曜日

    好奇の心と自信と勇気

    講義期間が終わって、補講、入試期、定期試験の合間を縫いながら、本業の実験を実施したり、ワークショップ等を企画したり、講演や学会などで東京を離れたりと、にぎやかにやっている間に、ブログの更新が滞ってしまいました。ごめんなさい。

    これまでのペースでは考えられないほど長期間、更新がないので、また体調を崩したのではないかという心配してくださったかたもいるようですが、ご安心ください。いたって元気です。

    今年度の英語学特講受講者の多くがわたくしの指示どおりの作業を怠らず、最後は受講者間で議論ができるところまでいったということは以前に書いたような気がします。ただ、その後、また一つ、驚かされたことがあります。

    試験をしたのが最終回の前の週でした。そして、最終回はその試験の答案に対する講評と答案の返却をしたのですが、なんと出席者がほぼ半数でした。中には就職活動で欠席した人もいましたが、「できなかったので、もう答案も見たくないし、成績も聞きたくない」という人がいました。実際、たまたま、教室に向うわたくしと鉢合わせしてしまった受講者がいて、そう白状したのです。

    じつは、その受講者の答案はとてもよく書けていたのです。また、発言は多くはありませんでしたが、こちらの講義は熱心に聴いていました。

    つまるところ、自信がないのです。自信がないから、勇気が出ない。悪循環です。わたくしの講義に出ると、それが学部向けであれ、大学院向けであれ、最初に聞くのが「この講義で一番大切なのは好奇の心を持つことです。とくに、《なぜ?》という問いかけは決定的に重要です」ということばです。それを忠実に守り、好奇の心が育っていけば、少しずつ、ものが考えられるようになります。おそらく、英語学特講の多くの受講者はその体験をしたはずです。

    これは貴重な体験です。この体験をせずに大学を卒業してしまう人は少なくありません。「大学ランキング」などで上位に入っている大学でも同じことです。

    ですから、みなさんはもっと自信を持ってください。そして、勇気を出してください。もうひとがんばりなのです。自信と勇気は一生モノです。もちろん、また挫けてしまうことはあるかもしれません。でも、一度自信と勇気を得たという体験はまた再び自信と勇気を取り戻すための強い武器となります。

    講義期間が終わり、教室で定期的に会う機会は終わってしまいましたが、必要なときはいつでもアポイントメントをとってください。《あいつはいつも忙しそうだから》という気遣いは不要です。忙しいのは事実ですが、学生・院生との時間は大事にしたいと思っています。

    来年度もおそらく、今年度と同じような曜日、時間帯に講義を出すことになると思います。単位にならない場合も含めて、大津の講義を受けてみたいと思ったら、ぜひメールをください。
    oyukio[@]meikai.ac.jp、あるいは、oyukio[@]sfc.keio.ac.jpです([ ]は外して使ってください)。

    春休み中も学内外でいろいろな活動があります。「大津研ブログ」なども参考にして、積極的に参加してください。

    2014年1月19日日曜日

    回復しました

    この1週間、いろいろとご迷惑をお掛けしましたが、予想どおり、「胃腸異常→高熱→だるさ」のフルコースを駆け抜け、本日、ほぼ元の状態に戻りました。単なる過労です。

    あすから完全復帰いたします。と言っても、月曜日は「研究日」で大学へは行かない日ですので、予定が狂ってしまった実験日程の調整、自宅周辺での取材、腫瘍マーカー検査などをこなす予定です。

    大学へは火曜日から戻ります。火曜日は、ゼミ、言語心理学(院)、概論の講義です。概論は試験の返却をします。

    「大津の部屋---おひまなら来てよね」については、まだ酒が呑みたいという状態になっていないので、もう少し様子をみることにします。あしからず。